永石さんの写真

永石さんは私たちの設計した建物をもう10年近く撮ってもらっている建築写真家で、カメラマンとして現代建築だけでなく、社寺建築や、近代建築のリノベーションの写真なども手がけている方。全国をまわって古い劇場、というか芝居小屋の写真などもライフワークとして撮っている。彼からは、まず建築写真は正対して撮ることが最初の選択肢で、それを押さえてから自分の好きなアングルを探すことを再認識させてもらった。いつも建物を撮ってもらうとき、私は彼と建物をさっと廻って、どうしても撮って欲しいポイントだけを言って、あとは現場を離れる。そして永石さんはその後勝手に撮影する。インテリアなどは、なにも言わず、私が現場に同伴すらしないときもある。

結果として上がってくる写真群は、まず建築の記録写真としてのカットがあり、その先に彼の感覚で捉えられた空間の写真があって、それはときに自分でも意図しないアングルがある。彼が撮影した膨大な写真の中から、良いカットを見つける、それが私たちの楽しみでもある。

上の写真は、関原テラスハウスのリビング。階段がどうやっても収まりきらず、天井をどう収めるかを担当の大原と現場で検討し、悩んだ結果の壁の形状。天井と壁の間の三角の出っ張りがなければ普通の空間。永石さんの写真のおかげで思わぬユニークな造形になっているのを再認識した。