Artist Profile Peter Fend

Peter Fend

1950年~ アメリカ NY Manhattan

1970年代前半よりニューヨークを拠点に,制作活動を行う。コンセ プチュアルアート(概念芸術。別名言葉の芸術)のパイオニア。

彼の、芸術表現の基軸となるテーマの一部として、情報の公開、 軍事力の廃絶、環境汚染問題(このテーマに関しては、 人々が「温暖化」という言葉を称するようになる前から、 “GLOBAL WARMING” というキーワードを発表している)、 さらに地球を一つの生命体として扱うガイア的思想などがあげられ,政治的というよりもむしろ共同体思想の強い作家であると言えよう。

分断された、一連の地図の作品については、 そのコンセプトとして、上記に述べた「地球を一つに生命体として扱う」という方法論の一部分が引用されている。

彼の考え方として、 本来、人類は、鳥や、プランクトンなどと同様、地球を自由に行き 来できるということであるが、それを不可能にしているのは、 経済、宗教、イデオロギー(政治的判断)などの、 束縛思想であると彼は説いている。

我々からすると、かなりロマンテイ ックな考え方だと笑ってしまう ところもあるが・・しかしそこには興味深く、重要な、メッセージが、 織り込まれていることは否めない。

バラバラに分断された「地図の作品」における、壮大なテ ーマ。。。地球とは何か?生命とは何か?領土とは何か?人類の創り上げた「文明」とは何か?、これらの問いは、今日も我々観る側に、 ストレートに投げかけられている尊い問題なのである。

地球は国家で形成されているだけではなく、「地 & 海 = 地 球」(Land & Ocean = Earth)であり、私たち人間もこの生態系のごく一部の存在なのである。

度重なるカタストロフィー(Catastrophe)の脅威にさらされるこの時代であるからこそ、今我々はこれをもっと深く認識するべきなのではないか?

老若男女そして小さな子供たちでも「地図」は親しみやすく、 そして地図は誰もが抱けるロマンを与えてくれる。

独特なビジュアル表現でメッセージ化されたPeter Fendの作品は、他に無い強烈なオリジナリティーを持つ。。。!

そして彼の揺るぎない平和思想によって、見る側の思考の扉が開かれる。(環境であったり、 社会問題であったり、グローバリゼーションのような政治的、経済的なことであったり、 戦争と平和であったり、個人的な人生のビジョンであったり、宇宙観であったり。。)

ピーターのマップ作品は「アート」であるがゆえに「地図」 という機能を越え、又そこには重大な社会的ステートメントが学術的に秘められている・・・経済/資源/宗教/政治思想/領土などが発端となってエスカレートする様々な闘争や混乱に対し警告を放ち、「人間の役割とは一体何なのか?」という重要なテーマを70年代から継続的に提示しているのである。

                                    文:シキ・フジモリ(マーズ・ギャラリー)