「廃校からドローン練習場へ 校舎を再活用した施設が続々」週刊朝日2018年10月12日号

週刊朝日2018年10月12日号で、以前当社古宇田がオープンに向けて支援した、株式会社i-roboticsが運営する「ドローンフィールドkawachi」が、「廃校からドローン練習場へ 校舎を再活用した施設が続々」という記事の中で取り上げられています。昨年末オープン後も着々とさまざまな形で利用されるようになってきているということで、利根川の河川上を片道5km飛ばせる環境など、国内有数の環境を整えたこともあり、当初のねらいが少しづつ形になっています。ドローンは地方再生における有力なツールです、今後の展開を期待しましょう。

「廃校からドローン練習場へ 校舎を再活用した施設が続々」

「廃校フォトギャラリー」

職員室もコミュニケーションラウンジに


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かつての中学校の玄関が、いまは研究所のエントランスホールに。


「6次産業化・新産業創出促進事業」農林水産省ホームページ公開

当社が連携している株式会社ソーラーポートが昨年度実施した「6次産業化・新産業創出促進事業」の実施内容

米ゲルを使用した介護食のレシピ開発及びマーケティング調査

のまとめについて、農林水産省のホームページに公開されました。内容が一望できるので、ぜひご興味のある方ご覧下さい。

書評「世界一わかりやすい発酵ソムリエ・マニュアル」

今回も書評とイベントについての記事です。
今回の記事は、先日出席した発酵についてのイベントで、頂いた本「発酵ソムリエ」の短評など。

この会は、私が関わっている米ゲル(ライスジュレ)についてのプロジェクトで協働しているアグリクリエイトの斎藤会から、発酵についての面白いイベントがあるので参加しませんか?とのご紹介がきっかけでした。(発酵イベントだからビールがたくさん飲めるよ、って言うのが殺し文句でしたが(^_^)。


会の様子、女性が多く参加。やはり発酵には興味があるのですね。


「発酵」と「建築」、どこに関係があるんだ、と言われるかもしれませんが、建築家として地方創生やまちづくりを手がけていると、特に小さな自治体など、結局そのまちを表す最大の特徴が食であることが多く、さまざまなプロジェクトを手がけてきた結果として、地域の活性化に食や農は切っても切れないことがよくわかりました。

千葉県の道の駅で発酵をテーマにした場所があり、お客様を集めています(「発酵の里こうざき」)。良いテーマだなと感心していました。味噌や醤油、日本酒をはじめとして、和食の中で、発酵は一大テーマで、地域で生かせる資源がたくさんあります。また、最近進めている高齢者関係のプロジェクトの中でも、健康維持、予防医療という意味で、発酵食品による効果が期待できます。

本の内容は、発酵の歴史から、発酵食品の分類、発酵のための菌についての話なと、発酵についてのベーシックな知識がわかりやすく述べられています
著者の松本裕子さんは一般社団法人日本インバウンド・アテンダント協会の代表理事で、発酵についての普及啓発を協会の柱の1つとして位置付け、発酵ソムリエ資格認定なども行っています。大阪市が万博に立候補しようとしていますが、そのテーマ「 健康と長寿」など、日本がこれから海外のお客様を迎えるにあたって、「 健康と長寿」と、それを形づくるベースのひとつとなる「発酵」は、より大きなテーマとなってくるでしょう。

会では、わかりやすい発酵の例として、大麦をベースにしたビールと、小麦をベースにしたビールが出されました。飲み比べると小麦をベースにしたビールは少しメロンのような甘い味がして、こんなに味が違うのかと、百聞は一見にしかず、いや、一飲にしかず、ということがよくわかりました。


会は発酵つながりということで浅草のアサヒビール本社に併設されたビアレストラン「フラムドール」で行われました。上記の2種のビールもアサヒビールで醸造されたものです。この建物及びインテリアは、バブル華やかなりし頃、フランス人建築家、フィリップ スタルクによって設計されたものです。今でも考えられないような斬新なデザインで、The Wallや、イル パラッツォなどと並び、日本に建った外国人建築家による記念碑的な建物のひとつです。久しぶりに訪れましたが、インテリアがそのまま残されていて安心しました。あの人の足のような柱のデザインなど、なかなか他ではお目にかかれないものです。それらのオーガニックなデザインは、今回の発酵をテーマにした会にも、とても合っていたと思います。ただし、残念ながらトイレは改修されていました。あまりに斬新すぎて、最初に入ったとき、どうやって使ったらいいかわかんなかったもんなあ。

最近、プロジェクトのつながりで出席する会や、打ち合わせで本を頂くことが多く、仕事と合わせて勉強もできる。有難いことです。


私と斎藤会長が協働しているお米を使った新しい素材→米ゲル「ライスジュレ」プロジェクトについて。茨城県河内町の地方活性化のプロジェクトです。

ライスジュレ(米ゲル)プロジェクト

米ゲル生産工場について。畜20年以上たった給食センターを工場にリノベーションしました。

ライステクノロジーかわち米ゲル工場

海外の建築家によるデザインされた建築案件といえば「The Wall」われらがデザインパートナーの鈴木晶久が参加した東京の記念碑のひとつです。

The Wall

最後に、イル・パラッツオについても、blogで書きました。外国人建築家による「ランドマークとしての建築」論です。

ホテル・イル・パラッツオ/アルド・ロッシ/都市の建築

「アメリカ大都市の死と生」

「アメリカ大都市の死と生」黒川紀章訳、1977年、原著は1961年


現代都市計画を考える上でのバイブル、原著の出版は1961年なのに、いまだにその中身は古びていない。前のブログにも書いたけれども、コミュニティのデザインなどを考えるとき、しばしば読み返す本。だけど、まさかこの人をテーマにした映画が製作され、しかも日本で公開されるとは思わなかった。それは、この本で書かれているモダニズム批判、街路の再生、コミュニティの再生が、いまだに価値があり、日本でも大きなテーマなっているということなのだろうけど。(私もいま単に思考としてだけでなく、実際のプロジェクトの要素として考えている)

目次を見るだけで、この本の言いたいことの概要はわかる。目次を書き写す。

Ⅰ章 都市の特性

  1. 歩道の用途ー安全性
  2. 歩道の用途ー接触
  3. 歩道の用途ー子供の同化作用
  4. 近隣公園の利用
  5. 都市近隣住区の用途

Ⅱ章

  1. 多様性の発生源
  2. 混用地域の必要性
  3. 小規模ブロックの必要性
  4. 古い建物の必要性
  5. 集中の必要性
  6. 多様性についてのいくつかの神話

この目次の項目に合わせて、豊富な逸話が語られていく。そこで語られている様々な近代的計画によるコミュニティの消失、モダニズムの理論に合わせて建てられた高層住宅が、竣工と同時に賑わいのない場になること、そしてそれが住民の退去の原因になり、治安の悪化とともにスラムへの道を歩むこと。それらは何年もたってわかったのではなく、竣工した時から人のいない広場を見ただけでも明らかな事態だったのだ。

この本は日本においてもユニークな受容の過程を経ている。翻訳はあの黒川紀章、訳者あとがきを読むと、1961年彼がNY大学を訪問した時に学生たちがこの本について議論しており、それに巻き込まれたのがきっかけだという。一見黒川のスケールアウトの発想からは縁遠いように見えるが、彼が中間領域をデザインしたいくつかの作品、「福岡銀行本店」や、表参道の「日本看護協会ビル」の裏通りへの通り抜けの道など、街路や賑わいの復権は彼の思想にもしっかりインプットされているように思える。


この本は実は1977年の日本語版出版当時、後半が翻訳されていない。その部分をずっと読みたいと思っていたところ、なんと2010年に完訳が出た。翻訳者はあの山形浩生。こちらも近々読んでみるつもりである。1977年版はSD選書のフォーマットの中で内容をぎゅうぎゅうに詰め込んでいるため字が小さく読みづらい、新訳は字も大きく読みやすそうなので、それもありがたい。

アメリカ大都市の死と生(2010年版)山形浩生訳


日本も1970年代の近代の見直し、オイルショックなどの流れの中で、この本で書かれているような街路の復権、テラスハウスやタウンハウスなどの低層集合住宅の考え方が市民権を得たが、1990年代のバブルのおかげで、高層マンションがすっかりポピュラーなものとなり、バブル崩壊以後もその流れが続いている。住み手の側からの高層住宅の否定と、街路の復権という意味で、この本はいまやアメリカより日本や中国での価値が高くなっていると言えるかもしれない。