もうひとつトップライト

二子玉川に建つ、Stream Tamagawaのトップライト


Stream Tamagawa、この商業施設には、建物の中を小径が貫通しており、それに沿って階段が建物に沿って屋根まで登っている。
階段の上にかかるトップライトを壁から離し、奥に向かって広がるようなデザインにした。私の敬愛する建築家、アルヴァロ シザがよくやるような、パースを強調した、人を呼び込む斜線による操作である。隙間の空間をどう魅せるか、写真では映りにくいが、模型を使ってよく検討した。人はどうしたって登ろうとすれば階段を見上げるので、トップライトは人を上へと意識させる有効な装置である。この隙間の空間は半屋内を強調したかったので、仕上げ材は外でも使っているレンガタイルを巻き込んでいる。こちらは半屋外空間で風も抜けることもあり、直射日光はフィルムを貼りカットすることで留めた。屋内空間だったら熱負荷を考慮し、直射日光そのまま入る形とはしなかっただろう。

たまに建物に行ったときに観察していると、階段を登ってくれる人も多く、こちらの意図通りに人が無意識に動いてもらえるのは嬉しいことです。


トップライトからの光がアートを照らしている。竹中工務店時代から手がけてきた自然光の活用による、ミュージアムの設計のノウハウを生かしている。下がり壁にはピンスポット、夜アートを照らす。光の操作で人の行動を喚起する。


こちらはアルヴァロ・シザのポルトの現代美術館エントランス。シザはものの配置が強烈で、少しズラしたりパースを強調するだけで空間を一変させてしまう。実物を観て、このエントランスもすごく意識的な空間操作があって、ちょっとした操作なのにその見え方は他の建物と全く違うという、すごい体験をさせて頂きました。建物のグリッドを少しだけズラして実現したこの空の切り取り方!

Stream 二子玉川 におけるArtと建築

Stream 二子玉川におけるアートの意味について、以前協働パートナーの Mattが書いた文章をアップしました。ピーター フェンド、ジョンデルーカの作品を解説しています。特に「パブリック・アートの企画運営」に書かれた、ピーターの紙で出来た地図のアートを、半屋外のパブリックアート化する制作過程の悪戦苦闘ぶりは面白いので、少し長いですがPDFにまとめた文章の方も読んでみて下さい。

Stream二子玉川におけるArtと建築

パブリックアートの企画設営

Artist Peter Fend

3つの軸

これまでのプロジェクトを整理していて、結局、下記の三つが自分の仕事の中心だということを再確認しました。

建築

Art+建築

まちづくり/都市計画

もともと自覚はしていましたが、あらためて一覧にならべてみてよくわかりました。これからは、これら3つを高いレベルで組みあわせして、より高い効果を生めるよう努力してまいります。

あと、思ったのは、プロジェクトごとに意識していない影響があるのだな、ということ、銀座のアートの棚プロジェクトは、少しズレて始まった北千住のK blockにデザインや考え方の影響を与えているし、熱海のヴィラのプロジェクトは、その曲線を二子玉川のstream新築工事に持ち込んでいる。建築形態同士の作用というのもあるのがわかりました。

コンペ案や計画のみで終わった案が、実施に至った作品に影響を与えるというのは、積み重ねた思考が無駄にならないという意味でも、良いことだと思います。