近年、住宅と健康の関係が研究機関、大学等の研究課題となり、住宅の室温を上げることで、ヒートショックを抑え、様々な疾患の予防に寄与することがわかってきました。
そんな中で、日本の住宅の断熱性能の乏しさが大きな課題となってきています。私たちは、高断熱かつ高性能、価格もリーズナブルな「RCZ住宅」についてもっと知っていただきたく、下記のページを立ち上げました。ぜひご覧ください。
建築+.Art…そしてタウンデザインへ
近年、住宅と健康の関係が研究機関、大学等の研究課題となり、住宅の室温を上げることで、ヒートショックを抑え、様々な疾患の予防に寄与することがわかってきました。
そんな中で、日本の住宅の断熱性能の乏しさが大きな課題となってきています。私たちは、高断熱かつ高性能、価格もリーズナブルな「RCZ住宅」についてもっと知っていただきたく、下記のページを立ち上げました。ぜひご覧ください。
先日、ある案件で私たちの設計した特別養護老人ホーム水彩館のO先生と話す機会があり、増築の方の様子はどうですかとお聞きしたところ、大変快適です、との評価を頂き安心した次第です。何よりも各室の間に取ったオープンスペース(コモンルーム)が暖かく、トップライトの開放感と、上から降ってくる自然光で落ち着くとのこと。あと、県や施設の方とも議論して決めた、雁行したプランも(下図参照)、高齢者にとって部屋の位置が認識しやすく、意味があったとのお話がありました。ただ一つ問題だったのは、トップライトからの西陽で、こちらもある程度考慮して、北西と北東に向けたハイサイドライトにしたのですが、やはり秋口に西陽が入ってきてしまい、一時期だけ眩しくなるためブラインドを取り付けたとのことです。地盤が悪いこともあり、平屋の鉄骨造としましたが、平屋のためオープンスペースにトップライトを取ることも出来、地盤も考慮して躯体を軽くするため鉄骨造としたため、構造コストを下げることもできました。いざという時の避難時の安全性も含めて、特別養護老人ホームで平屋というのは有効だと再認識した次第です。竣工後の使い勝手を聞くことは、今後もこちらの設計に活かせる部分が大きく、大いに意義があると思っています。
平面パース、不定形な敷地いっぱいに部屋を雁行させながら配置し、間にできたスペースをコモンルームとしました。変化のある空間が逆に好評です。
さる先日、日本計装技研藤枝会長のご縁もあり、日本の外断熱の第一人者である田中辰明先生のご自宅にお伺いしてきました。田中先生は、今は退官されていますがお茶の水女子大学で長く教鞭を取られており、環境工学の権威です。特に日本に外断熱を広める努力をなされ、一般社団法人 日本断熱住宅技術協会の理事長であります。ご自宅に訪問したのは、断熱についてお教えを伺う他、築37年経つ、日本でも最初期の外断熱住宅をこの目で確認したかったこともありました。
躯体はRC造3階建て。外観を見たところ、築37年というのに、塗装は少しも傷んでいない様子です。塗り替えは何回おやりになりましたかと質問したところ、たった一回ですというお話、当時は、まだ日本に外断熱の技術をもった会社が殆どなく、材料はドイツから輸入されたということでした。断熱層の厚さは30ミリ、これでも当時は大変なことだったそうです。また、建築計画的にも、吹き抜けを利用したソーラーパッシブを利用し、RC躯体蓄熱や、夏の換気に利用しているとのこと、スキップフロアの階段もみせていただき、日本最初期の外断熱エコ住宅を体験できました。
お話を伺う中で、初期の外断熱導入の苦労、とくに耐火性能確保との戦いや、周囲の無理解など、導入までの長い道のりのお話を聞き、今では外断熱は良いという常識になるまで、長い年月がかかっていたのを理解できました。
健康と建築との関係について、近年調査が進み、当事務所でも高齢者住宅を中心にそれについての相談もあり、今後研究を進めていくのに対し、大きな知見を得ることができました。今後ともいろいろご指導願う予定です。
一方で、田中先生は、ドイツ留学されていたということもあり、プルーノ タウトの研究家で、それについての著書もあります。私の卒論がバウハウスだったということもあって、すっかりその辺の話でも盛り上がり、30年ぶりにハンネス マイヤーという元バウハウスの校長の話になりました。彼の構成主義的な未完のプロジェクト、国際連盟案や学校案が私は好きだったのです。
プルーノ タウトの集合住宅も、大改修が行われ、外断熱住宅として生まれ変わっています。欧米とのストックの考え方の違いがわかる話です。日本の建物、特に住宅の断熱性能は欧米に比べて低いので、それを向上させることが、これからの住宅で最も重要な要素になります。このご自宅、子供世代との二世帯住居で、今年の春には改修を予定し、最新鋭の断熱サッシュをドイツから輸入して取り付けるとのこと、良いストックは改修することで性能を維持向上させ、長持ちし、結果的には大変安くなるということです。
昼過ぎにお伺いし、家を出たのはすっかり暗くなってからでした。お世辞になりました。今度は建物の写真をちゃんと撮らせて下さい。
木質系の外断熱材の見本。結露を考慮し、外部と呼吸し、水分が抜けるようになっている。
上の写真は最終予選出場者、中にいるきぐるみは河内町のゆるキャラ「かわち丸」
先日、2月11日、茨城県河内町公民館で、「第一回ライスジュレ(米ゲル) グルテンフリーレシピコンテストinかわち」の最終決戦が行われ、グランプリ獲得者が決定しました。皆さん嗜好を凝らし、グルテンフリーや学校給食というテーマに真摯に向き合われていて、企画に加わった一人として大変感動しました。試食だけでなく、参加者のみなさんにプレゼンテーションをお願いしたのは大正解でした。
とくにまちづくりの上で、いままで熱心に活動されていた河内町食生活改善推進員の皆様たち、その代表の鈴木さんの作成した、「ゆず香る~ゆずようかん」は味だけでなく、そのかわち愛に満ちたスピーチとあわせ大変良かったです。お話をきくとかなり試作をくりかえし今の味にしたとの事です。ピンクシャツの応援団もパワフルでした。
第一回ということですが、今後もこのコンテストを発展させ、米の用途拡大、米ゲルの普及、そして河内町のアピールにつながればと思います。
河内町食生活改善推進員でもある鈴木さんのプレゼンテーション風景
永石さんは私たちの設計した建物をもう10年近く撮ってもらっている建築写真家で、カメラマンとして現代建築だけでなく、社寺建築や、近代建築のリノベーションの写真なども手がけている方。全国をまわって古い劇場、というか芝居小屋の写真などもライフワークとして撮っている。彼からは、まず建築写真は正対して撮ることが最初の選択肢で、それを押さえてから自分の好きなアングルを探すことを再認識させてもらった。いつも建物を撮ってもらうとき、私は彼と建物をさっと廻って、どうしても撮って欲しいポイントだけを言って、あとは現場を離れる。そして永石さんはその後勝手に撮影する。インテリアなどは、なにも言わず、私が現場に同伴すらしないときもある。
結果として上がってくる写真群は、まず建築の記録写真としてのカットがあり、その先に彼の感覚で捉えられた空間の写真があって、それはときに自分でも意図しないアングルがある。彼が撮影した膨大な写真の中から、良いカットを見つける、それが私たちの楽しみでもある。
上の写真は、関原テラスハウスのリビング。階段がどうやっても収まりきらず、天井をどう収めるかを担当の大原と現場で検討し、悩んだ結果の壁の形状。天井と壁の間の三角の出っ張りがなければ普通の空間。永石さんの写真のおかげで思わぬユニークな造形になっているのを再認識した。