いま設計中の木造耐火三階建て住宅ですが、行政協議のなかでこんな事がありました。
計画地は都心の木造密集市街地で、準防火地域に指定されています。いざという時の消防車の展開のため、前面道路が区の防災道路に指定され、歩道提供に合意しているにもかかわらず、区の予算の関係で買い上げが遅れ、とりあえずは施主の土地としての扱いで申請するという方向に。すなわち、2項道路(4メートル以下の道路)という概念はあるが、防災道路(今回は6メートル)については建築基準法上の概念がまだ追いついていないということです。
現地の防災計画自体はよく考えられていますが、実際の運用についてはまだまだ埋めていかなければいけないところが沢山あります。このあたり、建築、特に都市計画や防災関係出身の議員が少なく、専門的な知識がいるので法整備が進まないところがあります。昨今の災害の多さから各自の防災意識が高まる中、超党派でノウハウを集めて、行政と政治が力を合わせて迅速な法整備を願いたいところです。
後継者不足、、、天候不順、、、農業のゆくえ
先日は農業に関するコンサルティング先の方と一杯やって、いろいろ農業に関する課題などをお聞きしました。米ゲルプロジェクト等の当社の地方創生コンサルティング業務の流れの中でのご紹介からスタートとした仕事です。
これまで行ってきた地方創生やまちづくりコンサルティングの中で役所の方などからの説明など、農業の現況についてある程度把握しているつもりだったのですが、いざ熱心に活動されている農家さん直にお話をきくのは迫力が違い、その構造的な問題点を現場の声として理解しました。
最大の課題は就労者不足、後継者不足とのこと。労働者不足と農家の高齢化はずっと言われていることですが、この農家さんは外国人労働者に頼ることなく、日本人だけて運営されています。他の多くの農家で外国人労働者を使い捨てにしているのを見て、これは長続きしないと思ったとのこと。農家に若い人が来ない最大の問題は、こと米作については装置産業で、若い人が参入しづらいということ。どうやったら若い人が入って来られるようになるか、頭をなやましている様子でした。
あとは、近年の天候不順について、今年は台風二発にゴールデンウィーク明けに害虫が発生、さらに7月前半の日照不足で収穫がここ何十年でも最悪とのこと。近年は台風などのコースが明らかに変わり、地球温暖化の影響が如実に現れているといいます。天候不順や天災はこれから想定外ではなく、想定してやっていかなければならないとも力説しておられました。
いずれも、一農家が解決できる問題ではありませんが、高齢化や天候不順についてもう議論している時間がありません。私たちも地方創生に向けてのまちづくりや、このようなコンサルティングなどを通じて、解決の道を少しでもつくっていければと思います。
強い農業づくりなど、農水省補助金事業に関するコンサルティングについて
地方創生の一貫として、強い農業づくりなど、農水省補助金事業等についてのコンサルティングについてのページをつくりました。是非ご覧下さい。
北千住で
いま、北千住で木造住宅を設計しています。準耐火構造の木造3階建て住宅で、現在確認申請中、年内着工を予定しています。3階建てにしたのは水害対策で、今年の台風でも住宅近くの荒川は氾濫はなくても水位が相当上がっていました。足立区のハザードマップでは住宅の建てられるエリアは5mまでが水没する可能性があり、当住宅の3階レベルは5m以上にセットしてあります。
近年地球温暖化の影響でこれまでに例のない台風などの気象災害が頻発しています。当事務所でも災害対策のプロジェクトが株式会社ソーラーポートと協働でいくつも動いており、個人住宅といえども災害を考慮した設計が必要とされていると思います。